2006年02月04日
南アルプス 夜叉神峠


 日本列島が寒波に覆われた2月4日、関東地方は空気が澄んで雲ひとつ無い快晴となり写真には絶好の撮影日和となった
南アルプスの玄関であり、白根三山の展望でも有名な「夜叉神峠(1778m)まで写真撮影に登ってきた。・・
狙いは山とイヌワシの撮影です。

【行程・時間】

自宅(車)⇒中央高速(甲府昭和IC) ⇒芦安温泉郷⇒夜叉神の森駐車場(11:10)
 
            夜叉神峠からの北岳


【コースデーター】
 途中写真撮影などの休憩時間が多いので・・・参考程度に
 
到着/出発 標 高
峠の駐車場 11:00 1,380m
夜叉人の分岐 12:10 1,740m
峠の小屋 15:20 1,,778m

  中央高速の甲府昭和ICで降り、国道20号線を少し北上してから左折、 芦安温泉郷を目指す。 富士川を渡り山間に入ると御勅使川に沿って登る峠道となる。
芦安温泉郷の観光案内所の手前を左に曲がり、更に登っていくと、南アルプス林道のゲートがある。 ここで監視員がスノータイヤなど滑り止めの状況をチェックしている。 冬場はここから夜叉神の森駐車場までの間、積雪や凍結状況により止められることがあるので事前の確認が必要だ。 またこのゲートは17:00で閉鎖しまうそうだ。
 管理人のおじさんが無愛想な顔で”OK・・日陰道はは凍っているから気をつけてナ〜”と、閉じているゲートを空けてくれた。  
  凍結に注意しながら、急な峠道を暫く登っていくと夜叉神の森駐車場に出た。30台くらいは駐車できそうなスペースがある。
ここから先はトンネルの入り口が封鎖されており、冬場は広河原には降りることができない。
 ここで準備をすませ、駐車場北側に見える東屋のわきから登山道に入る。
登り始めはやや急登だが、すぐに緩やかな登りの幅広い道になる。

 カラマツの造林地と、ミズナラやブナが目立つ自然林のミックスしたジグザグな道が続く。 ・・最初からダラダラと登りが続き、早くもヤッケの中が汗ばんでくる。
10分ほどでツガの大木のそばにある「もみその山の神」に着く。ここは昔、山仕事に入った村人が安全祈願した祠だそうだ。
   更に登っていくと、クマザサが多くなってきて登山道は完全に雪で覆われている。
踏跡の多い中心部は凍結していて滑るが踏み跡の少ない場所には雪がありアイゼンなしでも大丈夫そうだ。 
 氷の上に載らないよう足場を選びながら登っていく。  
途中で下山してくる方とすれ違う。 一人の方はノーアイゼンで、”峠までだったらアイゼンなくても大丈夫ですよ”と声をかけてくれたが、もう一人はアイゼンをつけ本格的な装備をしていた・・・ノーアイゼンで大丈夫かな?
 
 中間地点には、昭和30年ごろまでミズナラを焼いていた炭焼き窯が残っている。
すぐそばの銘木五本松も逞しくそびえている。
 東側が明るく開け、沢上流の急斜面が見えるところから右に入ると昔の水場跡に行くことができる。 今では水もほとんどなく、昔の面影はのこっていないそうだ。

 少しの急登の後、平らな道を進むといきなり視界が開けて、白峰三山の雄姿が目に飛び込んでくる。 ここが峠の稜線で、高谷山、鳳凰山、そして西側の広河原方面への下りルートの分岐点である。
 三脚と重いレンズを担いでいるため、注意深く登ってきたのでここまで約70分かかってしまった。
 ここは登山道の交差点になっていて、右方向へは夜叉神峠小屋と峠の頂上、前方へ下ると夜叉神峠西口登山道となる。
 
 分岐を右に折れ、夜叉神峠の頂上を目指す。
急坂を登りきると冬場は閉鎖している山小屋があり、左側には本日の最大の狙いである白根三山(北岳・間ノ岳・農鳥岳)の3000m級の秀峰の素晴らしい展望が開けている。

今日は空気が澄み切っていて、300mm×1.7の望遠レンズをセットしファインダーを覗くと北岳山荘の窓まで見える。 バックの青空と雪の張り付いた岸壁のコントラストが凄い。
 早速撮影の準備をして山の写真を撮る。 山の天気は変わりやすいため、コンディションの良い時にと数十枚一気に撮影して、本命のイヌワシを待った。 
   景色を楽しみながら本命の姿を探すが姿は見えない。
白根三山のダイナミックな展望をおかずにして持ってきたオニギリを食べる。
暖かいお茶がウマイ・・・。 
 登って来たとき汗を拭いたタオルは、寒さのため棒状に凍っている。 
日差しは強くて暖かく感じるが、1770mという標高のため山頂は-10度を下回っており、食事をしている間に体が冷えてくる。 
その時、広河原の上空を本命がこちらに向かって飛んで来るのを見つけたが、低い位置だったため目下の木の陰に入ってしまい姿が見えなくなった。
・・・しばらく待ったが山にガスが掛かり始めたので諦めて下山の準備をする。
ゲートに17:00前に着かなくてはいけないため、あまりゆっくりはしていられない。

 帰り道は登りより神経を使った。 うっかり凍っているところに乗ると転びそうだ。 雪道は慎重に・・何とか雪の無いところまで降りてきて、それからはリズム良く下り、駐車場までは約40分で降りてきた。
 車に乗り込み、慎重に峠を下りトラブルも無くゲートを通過。
管理人のおじさんに、お礼のつもりで封を切っていないお菓子をおいていく・・・硬そうな管理人のおじさんの顔が 「これは 々・・!」と一瞬緩んだのが印象的だった。 とりあえずゲートを抜けて一安心・・
 
 温泉
 帰りは、芦安温泉郷からしばらく下った道路沿いにある「天恵泉白根天笑閣」という温泉に入り汗を流していく。 この温泉は、湯船は少し小さいが木曽のサワラを使った造りで、”源泉かけながし”のきれいな温泉である。また水質は高アルカリ泉でなかなか素晴らしい温泉だった。
 (入浴料 : 県外の人610円)