2006年02月11日
御坂 黒岳(1793m)

 
 黒岳(1793m)は河口湖側から御坂山塊(御坂峠方面)を望むと、際だって大きく立派な姿を見せている山である。 
山頂から少し下ったところに展望のよい場所があり、足元に河口湖、その向こうに富士の雄大な姿が一望できる。少し前に降った雪が残っているとは思いつつ、好天に誘われ新車のドライブを兼ね安易な気持ちで出かけたが・・

【ルート・行程】
自宅(車)⇒中央高速(河口湖IC) ⇒御坂トンネル入り口(登山口 11:20)



【コースデーター】
 途中写真撮影などの休憩時間が多いので・・・参考程度に
 
到着/出発 標 高
御坂トンネル登山口 11:30 980m
御坂峠分岐 12:50 1,430m
黒岳山頂
14:20 1,792m

 
登山口にある河口の森の案内板
 何時ものことながら、朝起きてから空を見て、”さて今日はどの山にしようか?”と思案しつつ、新車のドライブを兼ね河口湖までとりあえず行ってみることにした。

出発10:00
 途中、高速道路を快適に走らせながら・・少し雪があるかもしれないが富士と河口湖の景観か素晴らしい黒岳に行ってみようと決定・・・非常にいい加減な、しかし何時ものパターンとなった。
 河口湖ICで降り河口湖大橋を渡ると正面左手に黒岳がドッシリとした姿を現す。 御坂峠を上りトンネルの入り口を天下茶屋方面へ右折すると直ぐ登山口である。(11:10)
5台ほど駐車できる空き地に駐車、この遅い時間にもかかわらず車が一台も無い。
・・・今日は誰も山には入っていないようである。
天気は良いが上には雪が有りそうなため、その準備をして歩き出す。(11:30)
 登り始めは南斜面のため日当たりが良く暖かい。 昔の峠越えの道なのかクヌギや雑木の落ち葉が積った広くて歩きやすい道がしばらく続く。

 しかし20分ほど登ると傾斜がきつくなり早くも息があがってくる。 厚手のヤッケのため汗も噴出してきた。
ジグザグの登りが続くキツイ登りにうんざりしながらも休まずに高度を上げる。
 
 葉の落ちた雑木の隙間から峠道と河口湖がチラチラと見える高さになるころ、登山道には凍った雪が多くなりはじめた。
 まだアイゼンを着けるほどではないため足場を選びながら登っていくと峠の頂上越しに青空が見えてくる。
・・峠までもう少しだと思うと現金なもので急に元気が出てくる。

 この頃から登山道はクマザサに包まれはじめ高度が上がったのを感じさせる。 
ここまでは森林の中を歩いていたため展望は無かったが、河口湖方面を振り返ると木々の間から富士と河口湖が輝いて見えてる。

 ここまでくれば御坂城主跡である峠の頂上は近い。

御坂小屋(山頂)

甲府方面の展望
 少し登ると、御坂峠の稜線に出た。(12:50)

 目の前に甲府ー石和方面の展望が開け、稜線から見る空は2月に相応しい濃紺だ。今は使われていない御坂小屋の前にあるベンチで一息入れる。 ここまで南側の斜面を登って来たため暑くすら感じた気温だが、稜線に出た途端、冷たい風が北斜面から吹き上げてきて気持ちがいい。

 ここから黒岳山頂までは60分との標識が立っている。
稜線には20cm程の雪が積もっていてトレース跡はまったく無く、我々が積雪後初のお客様のようである。

アイゼンをここで装着し、時間も遅いため15分ほどの休憩で出発。

 歩き出すと新雪の下に踏み固められた雪が凍っており、ストックもうまく刺さらず非常に条件が悪い。
 梯子やロープがあるはずの急な登りは雪と氷で覆われているため、雪を掻き分け手がかりを探しながらの登坂となり非常に神経を使った。 

 予想外のコンディションのため、最後の岩場の急登を前にして立ち止まる。
日陰の岩場は凍結していて、見るからに危なそうだ。
 少し迷ったが、山頂はすぐそこにあり慎重に登ってみる事にする。
雪を掘り返すと所々に木の根や尖がった岩が顔を出している。 アイゼンをしっかり利かせ手がかりを掴みながら慎重に登り・・・何とか岩場を登ることができた。
・・・とりあえず一安心!
 最後の岩場の上は平坦になっていてすぐ先に山頂が見える。
このあたりにも鹿の足跡以外踏み後は全く無く、この山を独占したような気持ちになる。
 思いの他時間がかかったが山頂に到着。(14:20)
しかし山頂は展望が無いため、そこから更に200m程下ったところにある黒岳展望台まで足を伸ばす。

 展望台に出ると眼下に河口湖を見下ろせ、富士が雄大な姿を見せている。
 ここで今日の目的だった写真を撮影する。時間も遅く霞が出ていたが、想像したとおり素晴らしい展望だ。
      
              山頂からの展望
 写真を撮り、素晴らしい展望満喫しながら昼ご飯を食べる。
帰りは夕暮れの富士を撮影したいと思い、明るいうちに車まで戻るため早々に山頂を後にする。来た道をピストンするため様子が分かっており比較的速いペースで車まで戻れた。(到着 16:40)
 このルートは、雪が無ければ難しくないハイキングコースだと思うが、今回は凍結した雪のため危険な場所もあり予想以上に苦労してしまった。 この時期、日陰や標高の高い場所ではこのようなことがあるので必ずピッケル・ザイルの準備はしていきましょう。(反省!)

<黄昏の富士を撮影>
 荷物をトランクに放り込み河口湖畔を北上、いつもの撮影スポットに向かう。
時間的にも夕暮れの富士の撮影に丁度いい時間となった。

撮影準備が終わる頃、富士の山頂が赤く染まり始め、今日最後のドラマが始まった。
気温が下がり空気が澄み切ってきて、富士の周辺の空がバラ色に染まり始めた!
・・感動!!
 刻々と色合いが変わってくる・・急いで数十カットを撮影・・・・・!!

今日は少し強行スケジュールだったが、富士三昧で大満足の一日だった。
     

 黄昏の富士

(河口湖北端より)