2006年11月04日
日本百名山 瑞垣山 (2,230m)

   瑞垣山(2230m)は山梨県と長野県の県境に位置し、その奇岩で創られた厳しい山容は、下から見上げる登山者を威圧するかのようです。 この山は、深田久弥の日本百名山、甲信越百名山、山梨百名山にも選ばれており、山頂からは富士山をはじめ南アルプスや八ヶ岳連邦などが望めます。  当日は 三連休の中日でしたが予定が無かったので、紅葉の写真でも撮れたらと・・その朝思いたって単独/日帰りで行ってきました。

車での行きかた】
自宅(車)8:10 →(中自動車道)→須玉IC→増富温泉→11:50瑞垣小屋

【コースデーター(参考)】
 
到着/出発 標 高
瑞垣小屋 12:10 1515m
富士見平小屋 12:50/13/30 1815m
天鳥川出会 13:50 1750m
瑞垣山 山頂 15:10/16:00 2230m
富士見平小屋 17:30 1815m
瑞垣小屋 18:10 1515m
 
 


塩川ダム

 中央道須玉インターで下り清里方面に走ると、すぐに増富温泉への案内が現れる。 その信号を右折し暫く走ると道は山間に入りやがて塩川ダムに出る。

そこで休憩し道を確認するが二つに分かれている道はどちらからでも瑞垣小屋には行けるようだったが、増富温泉経由で行くことにした。

塩川ダムの湖畔は、紅葉シーズンで沢山の観光客で賑わっていた。

紅葉の向こうに金峰山が見える
 増富温泉を過ぎ、渓流に沿った林道を登っていくと、渓谷の紅葉は見頃が過ぎていたにもかかわらず観光客の姿が目立つ。
更に林道を登っていくと、渓谷から抜けて見晴らしが聞く場所に出た。
カラマツの黄葉の遥か向こうに金峰山がみえている。

【瑞垣小屋】 12:15
 更に登ったところに瑞垣小屋ある。 広い駐車場は満車状態だったが、林の中に造られた駐車場のため、聖地されていない部分に強引に入り込んで場所を確保した。
 ここまでの道は舗装されていて、どんな車でも容易に来ることができるため、登山者以外の一般観光客が多いようだ。  
 時間を見ると既に12時を回っている。
コースタイムは往復で4時間半、急がないと日が暮れてしまうため、お昼は富士見平まで我慢しすぐに歩き出す。
 カラマツ林の中の緩やかで気持ちの良い登山道を20分程登っていくと、ジグザクの急坂が出てくる。その坂を一気に登りきると尾根に出る。 ここからは、葉の落ちたカラマツ林を透かして、向こうに瑞垣山の白い岩塊が見える。
 尾根道の脇にベンチがあったので、ここで一息いれることに・・・。 
すると、この下で追い越してきたおばさんが汗を拭きながら登ってきて、ベンチの横に座り込み話しかけてきた。 そのうちにザックからミカンを取り出し食べ始め、私にも一個差し入れしてくれたがお腹が空いていたのでとてもうまかった。
・・どうやらここで帰るようだが、”この時間では瑞垣山は無理ヨ〜・・やめなさい!” と・・なかなかウルサイ!!  ミカンのお礼を言って、早々に歩き出す
ここから尾根に沿って15分ほど登ると、富士見平が見えてくる。


富士見平
【富士見平】 12:50

 カラマツ林の中のテント場には四張ほどテントが張ってあり、食事が終わったのか・・陽だまりでノンビリしている人が多い。  適当な場所を見つけて昼食にする。 バーナーでお湯を沸かしている間に瑞垣山から沢山の登山者が下ってきて目の前を通っていく。  会話を聞いていると・・山頂の岩の上は溢れるくらいの人で、順番待ちが続いたようである。 
 ・・これは、すれ違いに手間取るのかな? と心配しつつ食事を済ませて出発することに・・。、
  

瑞垣山の全貌
 ここから瑞垣山までは、日陰道の九十九折れの急坂一旦沢に下らなくてはならない。 最初は深い林の中で視界が悪い道をやや下りなからトラバースしていく。

やはり心配したとうり下山者が多く、すれ違いに時間がかかる。
 やや下ると、登山道から外れた下のほうに数人カメラを構えた人がいる。そこに行って見ると、そこだけ林が切れていて瑞垣山全体が見えている。  
どうやら、障害物が無く、山の全容が見える場所は”ここだけ”のようで、私も数枚写真を撮った(左)

 この先が九十九折れと言われる急坂で、北斜面のため湿った滑りやすい急傾斜になり、そこを下りきったところが沢の出会である。
 沢を瑞垣山側に渡ったところにベンチがあり、10人程が休んでいる。
ここでは休憩せず、沢伝いに続いている登山道に踏み込んでいくと、いきなりハシゴがでてきて、大きな岩を乗越える。

大きな直立岩(名前は?)
 上を見ると、ここからはこの調子で足場の悪い沢を一気に上っていくようである。
下山してくる人もまだ多く、落石に注意しながらどんどん高度を稼いでいくが、少しペースが速いのか息が切れてくる。 
 暫く登るとルートは暗い沢から外れ明るくなってくるが、ロープやハシゴあるきつつい登りが相変わらず続く。 

 ・・・突然目の前に、先ほど反対から見た、特徴的な大きな岩が現れた。
この直立した岩(名称は?)は、遠目にも異様な形相であったが、下から見上げるとその大きさと高さには圧倒されてしまう・・凄い!


長いハシゴが掛かっている山頂付近の急勾配
 この大岩まで登ると山頂まではもう少しだ。
しかし、傾斜はさらにきつくなり、ハシゴでは下山者の通過を待つので結構時間がかかてしまう。・・・ 特に女性はハシゴを下るのに大騒ぎだ(写真)

【山頂到着】 15:10
 ここを過ぎると、山頂の岩山を左から巻くようにして登る。 裏側に出ると、大きな岩にロープがあり、そこを登ったところが山頂のようだ。 
 濡れた岩を注意して登りると、雑木のトンネルがありそこを抜けると山頂にでた。
時間は既に3時を回っていたが、山頂にはまだ3人ほどの登山者がいた。

この上が山頂        巨大な直立岩 
 展望は360度あり絶景である。 先程見た大きな直立岩は足下にあり、遥か西南方向には金峰山と奥秩父の山塊が゙望める。 

 あいにく西の空には厚い雲があって太陽が隠れ始めていて、綺麗な夕焼けは期待できそうに無い。 山頂から見える谷間は、早くも夕闇が忍び寄っているようなので、数枚の写真を撮ってから早々に下山にかかる。

 明るいうちに、危険箇所のある九十九折れの坂を越えるところまで行きたいのでハイペースで一気に下る。 沢の出会いに着くころには、辺りはだいぶ暗くなってきたがまだライトを使うほどではない。 ここで水を補給し一息いれてから急坂を登り返す。 
 17:30 辺りはすっかり暗くなり途中からライトを点ける。 富士見平に着く頃には森の中は真っ暗だ。 ゆっくりしていられないので小屋の明かりを横目で見て、そのまま瑞垣山荘方面に下る。 ライトだけでは落葉が積もった登山道をともすると見失なってしまうので、細心の注意をはらいながら下っていく。
 途中で、すぐ脇の沢から”ヒュー”という甲高い声がし、思わず”ビクッ!”とする。
どうやら鹿の声のようだ。発情期独特の泣き声である。
 何度か道を外して修正しながら、18:10 瑞垣山荘の明かりが見え駐車場に到着した。

 帰り道にある「増富ラジウム温泉」で汗を流し帰路に着いた。
 ここの温泉はなかなか素晴らしい温泉だった・・・本当はもっとゆっくり入っていたかった。 

山頂から望む巨大な岩塊

瑞垣山 山頂            足下に望む直立岩