2014年05月04日
長野県 小谷     日本百名山 雨飾山 (1,963m)            
    動画はこちらから覧になれます ⇒  雨飾山 Movie


  5月連休の一日、日帰りで手軽に春山が楽しめる雨飾山に行って来た。
残雪が多く車は雨飾荘までしか入れなかったが、そこから登山を開始する。
 天気は山登りには最高の条件で残雪の雨飾山を満喫できたが、荒菅沢を登り返した頃から大腿に痙攣が来てしまい悪戦苦闘の登山になった。たまたま一緒に登っていた二人連れの方に痙攣緩和の薬を分けて戴いて何とか山頂まで往復してきた。
 ・・その節は大変お世話になり、ありがとうございました。

【コースデーター】
  
途中撮影などでタイムロスが有ります・・参考程度に 
到着/出発 標 高
雨飾荘 07:10  960m
キャンプ場 08:00 1,127m
ブナ平 09:10 1,450m
荒菅沢 10:05 1,448m
笹平 12:50 1,894m
山頂 13:35
1,963m


04:58 後立山連峰
 暗いうちに実家を出て車を走らせていると、白馬村辺りで夜が明けてきた。松川の橋の上で車を止め、カメラを取り出して暫く待つと残雪が残る後立山連峰が赤く染まり始めた。 周囲を見ると既に数台車が止まっていて、同じようにモルゲンロートを撮影していた。
 五竜岳から唐松岳、不帰剣、鑓ヶ岳、杓子岳、白馬岳まで後立山連峰の稜線がピンクに染まる贅沢な朝焼けだった。
07:10 雨飾荘出発
 小谷温泉を過ぎ雨飾り荘まで行くと、車道のゲートが閉じられていてその先は除雪されていない。キャンプ場まで車が入れると思っていたのだが当てが外れた。仕方なく駐車場に車を止めてここから登山を開始する。 途中蛇行している車道をショートカットしながら登ったが、駐車場まで約一時間余計に時間がかかってしまった。
 キャンプ場付近にはまだ1m以上の残雪があり残雪の上を歩いて大海川へと入っていく。
08:20 大海川からブナ平
 残雪で覆われた大海川を遡るとブナ平へ登る夏道がある場所に出る。
ここでアイゼンとピッケルを出し急斜面を登る準備をする。既に数人の登山跡があったのでそれを辿って急斜面を登るが、雪が緩んでいるのでいきなり直登している。 暫くブナ林の急登が続き、気温も上がり始めたので汗が一気に出てきた。
 途中で呼吸を整えながらブナ平まで一気に登りそこで休憩する。
久しぶりの登山だが、この時期の山はいつ来ても気持が良く最高の気分だ。
10:00 荒菅沢
 ブナ平から尾根を越えると荒菅沢に出る。
いつもこの荒菅沢へ来て感じるのだが、この大きな沢は雨飾山頂と俗世を隔てている”結界”のような雰囲気を持っていて、思わず「これから入らせて戴きます」というような気持ちになってしまう。

 残雪の多い荒菅沢を下り反対の壁を登り返す。100メートル程の高さの壁だが、70度近い急斜のため足場を固めながらの登りで足に堪える。
10:35 荒菅沢登り返し
 急斜面を悪戦苦闘しながら登り、もうすぐ尾根に出られるという所でいきなり左太股に痙攣が来てしまった。 今迄こんなことは無かったので少し動揺しつつ、騙し騙し何とか尾根まで登って安全な場所で休憩する。 暫くの間座り込み、伸ばしたり揉んだりしているうちに痛みも収まってきたので気合いを入れ直し痩せ尾根を登る。 少し登るとまた同じ場所が痛くなってくるので、休み休み登っていくと少し上のテラスに先行していた二人連れが休憩しているのが見える。
11:50 地獄で仏
 何とか二人のいるテラスまで辿り着いたがこの調子だと山頂まで登るのは難しそうである。持っている筋肉痛の湿布を貼りここで暫く休憩して治らなければ今回は潔く撤退しようかと思っていると、なんと二人連れの方が「痙攣の薬を持っているので分けてあげる」と言う。 ・・まさに地獄で仏とはこの事である。
 30分もすれば効果が出てくるということなので、写真を撮りながら暫く休んでいると・・ウソのように大腿の違和感が消えていた。
12:50 笹平
 気分も良くなり、痙攣を起こした足を庇いながら山頂を目指す。
急峻な雪尾根を登り東側から笹藪を抜けると山頂へ続く広い雪原に出る。ここは両サイドの展望が開けていて、雪が無ければ一面が笹で覆われた笹平と呼ばれているところである。
 正面に見えるピークが雨飾山の山頂で、最後の急な雪渓を登っている登山者の姿が見える。
13:35 雨飾山 山頂
 滑ると間違いなく下まで止まりそうもない急な雪渓を慎重に登り、雪が溶けて出ている夏道を登りきったところが山頂である。 途中の痩せ尾根の突端にお地蔵さんが並んで迎えてくれた。 山頂は360度の展望が開け周囲に見える残雪を戴いた山々のピークが美しい。 
 山頂で遅い昼食をとり、時間をかけて写真を撮ってから下山しましたが、何とか明るいうちに車まで辿りつくことができました。