2017年09月25-27日
北アルプス)槍ヶ岳(3,180m)奥丸山         
(動画はクリックで Start/Stop)

 実家からの帰り、紅葉の写真を撮りに穂高の絶景ポイントで有名な奥丸山まで登ってみる予定で出かけました。 槍平で天気を確認すると予定よりもう一日好天が続きそうだったので思い切って槍ヶ岳まで足を延ばしてきました。 紅葉は期待外れでしたが天気は予報通りの好天で爽やかな秋山を満喫できました。  下山日は「16時頃から雨か霙」との予報どおり、新穂高登山口まで降りた頃雨が降り出しましたが、ギリギリセーフで何とか濡れずに車まで戻れました。

【行程・コース】
(車)〜(新穂高登山口→槍平→槍ヶ岳→奥丸山→槍平→新穂高登山口)〜平湯バスターミナル(温泉)〜
相模原(自宅)
【コースデーター】
到着/出発 標 高
新穂高登山口 8:10
1117m
滝谷避難小屋 11:10 1750m
槍平小屋 12:10/03:30 1985m
飛騨乗越 6:30〜10:40 3010m
槍ヶ岳山荘 11:30/06:30 3180m
西鎌経由 奥丸山 09:30〜11:00 2439m
槍平経由 新穂高 12:40〜16:10 1117m
 途中撮影などでタイムロスがあります・・参考程度に 


白出沢
【新穂高〜滝谷避難小屋】
 途中のコンビニで食料を仕入れ新穂高の無料駐車場に着いたのは7時を回っていた。駐車場は満杯のため一番遠い場所の空きスぺースを見つけて駐車。 準備を済ませて歩き出したのは8時を過ぎてしまった。
 林道に入り広い道を登っていくとダム工事会社が作ってくれた登山者用の休憩所が何ヶ所かに有った。それを横目で見ながら更に登っていくと白出沢にぶつかり林道はここで終わる。ここは休憩所になっていて沢から引いたパイプから綺麗な水が出ていた。 ここで小休止してから本格的な登山道に入っていくが、暫く登ると滝谷避難小屋に出る。 ここまで3時間、足に疲労が溜まってきたのでここで大休止して最後の登りに備える。 よく見ると河原の中の大きな岩に監視カメラが設置されていて水量を監視している。これがネットで見られるウェブカメラで、水量が増えるとこの沢は渡ることができなくなる。

槍平


大滝谷ドームと涸沢岳の朝焼け
【滝谷避難小屋〜槍平】
 丸太二本を縛っただけの橋を渡り、傾斜を増した登山道を更に登る。 最近筋力低下が気になっていたのだが、心配した通り大分バテて来たようだ。 下山者とのすれ違う度脇に寄り道を譲りながら休憩している。ザックに入っている重い300mmレンズが恨めしく思い始めた・・。 一時間程ノロノロと登ると登山道は平坦になり湿原のような地形の場所に出る、ここが槍平で暫く登ると小屋が見えてきた。 上に向って左側は奥丸山、右側は穂高連邦が連なっているが谷間のため展望は良くない。 奥丸山へ上るルートは急坂で登山道は荒れているようだったが一時間半程でピークに出られ、ここが穂高連邦と反対側の飛騨山脈が一望できる絶景ポイントらしい。 明朝は4時頃から滝谷を撮影する予定なので途中まで下見に登って見る。 滝谷の景観が良い場所は途中に何ヶ所かあったので、夕陽に染まり始めた滝谷の様子を微速度撮影で一時間程撮影して山小屋に戻る。
 夕食後、山の天気予報をチェックするとあと二日は好天が続く予報だ。ここまで来て奥丸だけで帰るのは絶対にもったいないよな!と、思い切って槍ヶ岳まで足を延ばす計画に急遽変更。 
【翌日の朝】
 
 3:30に起き、昨日下見した奥丸山の中間ポイントまで登る。 途中までは満天の星が輝いていたがポイントに着く頃には朝モヤが湧いてきて霞の中に入ってしまった。 6時頃まで粘ってみたが最高の時間帯はモヤで写真にならず諦めて下山したが、・・皮肉にも下りきった頃には滝谷ドームから涸沢槍にかかっていたモヤはスッキリと晴れていた?!
 6:30 気持を切り替えその足で槍ヶ岳を目指す。 今日は時間的には充分余裕があるので写真を撮りながらゆっくり登って行く。 途中最後の水場と書かれている沢があったのでここで朝食を採る。・・山小屋で提供された朝食代わりの弁当だ。 

千丈沢分岐
【千丈沢】 
 最後の水場から林の中の登山道を登っていくと突然視界が開けた。 森林限界を超え千丈沢に出たようだ。 前方左手には朝日に照らされた西鎌尾根の稜線が目に飛び込んでくる、後を振り返ると奥丸山と後ろに笠ヶ岳など飛騨山脈の雄姿が浮かんでいる。・・ここまで登って来て初めて北アルプスらしい景観と出会えた。思えば新穂高から延べ6時間以上も沢沿の展望が無いルートを登ってきたのだから感動も大きいはずである。

 ここから更に登っていくと千丈沢分岐に出る。左に行くと西鎌尾根の千丈乗越、直登すると千丈沢を詰め槍ヶ岳の肩にある飛騨乗越へ続くが、西鎌尾根は帰りのルートにするので飛騨乗越方面に向かう。 この辺りから紅葉が始まっていたが、長雨の影響かナナカマドの葉はチジれていて色着きはイマイチだった。

飛騨乗越
【飛騨乗越】
 広々とした千丈沢を登っていくと槍ヶ岳の山頂が見えてくる。 槍の穂先は東に傾斜しているため千丈沢からは見えないが、槍の肩にある槍ヶ岳山荘が見えている。現金なもので目的地が見えると疲労も一時的に忘れて元気がでる・・が、実はここからの登りが更にきつくて時間もかかる。登っても登っても近づかない感じで自然に小休止が増えてくる・・。
 ジグザクの登山道の最後の折返しに着く頃、見上げると稜線上に飛騨乗越の標識が見えてくる。気合を入れ直して最後70m位の急坂を登りきると飛騨乗越に出た。眼下に見慣れた槍沢と常念岳が望め、そして槍ヶ岳の穂先が漸く姿を見せてくれた。
 時間を見ると10:40、槍平から登り始めて4時間以上かかったが、久し振りに見る槍ヶ岳に感動しながら小休止する。三脚を出しここで何枚か撮影してから槍と反対方向にある大喰岳(オオバミ)方向に登る。・・ここは槍ヶ岳が展望できる絶好の場所、一時間程余計に汗をかいてしまったが良い写真を撮るためにはしかたがない。 

槍ヶ岳
【槍ヶ岳】 
 大喰の途中から戻り、昼少し前に槍ヶ岳山荘に到着する。
山荘のレストランで楽しみにしていた大盛カレーライスを注文、大盛りを注文もする人は殆どいないようで、アルバイトらしいおねーさんがどの位盛ったら良いのか戸惑いながら笑っていた。 朝早かったので食事の後ベンチでひと眠りしてから山頂を往復、そして夕方の槍ヶ岳を撮影する。予定していたタイムラプス撮影は雲が流れ始めるのを待ち一時間程かけて撮影してみた。
 夕食の後、珈琲を飲みながら星空の様子を見に出ると素晴らしい星空が広がっていた。 しかしこの時間帯は山荘の明かりと月明りが邪魔をするので消灯後の22時頃から撮影に出ることにして暫く休む。 22時、そっと起き出しヘッドライトで避難小屋上の撮影場所に登り撮影を始めたが冷え込んできて風が体温を奪っていく。ダウンを着ていても我慢できないため避難小屋まで降り風の当たらない小屋陰へ移動、そこから長時間露光で何枚か撮影したが寒さに耐えきれなくなり終了。 2時間弱だったがすっかり冷え切ってしまった。

西窯尾根
【西鎌尾根を下山】
 翌朝、ご来光を撮るため早めに外に出てみたが、雲が出てしまい写真にはイマイチの条件だ。諦めて小屋の中でストーブを囲んで暖を取り朝食の時間を待つ間、昨夜星の写真を撮る時一緒になったカメラマンが居たので話をすると、あの寒さの中で3時間以上粘ったようだが、やはり冷え切ってしまい昨夜は殆ど眠れなかったようだ。・・写真を撮るのも山登り以上に大変だ!。
 6:10 朝食を済ませ下山にかかる。今日は夕方から雨か霙の予報なのでそれまでには車に戻りたい。 西鎌から奥丸山−槍平−新穂高のルートで下山するため少しばかり遠回りになるが時間的には充分余裕がある。
 西鎌を下り始める時、双六方面の山に槍ヶ岳の影がくっきりと映っていた。しばらくこの景色は見納めだろうと思いつつ少し早いペースで千丈乗越へ下った。

奥丸山
【千丈乗越】
 途中何ヶ所かで撮影しながら下ったが、あっという間に千丈乗越に着いてしまった。やはり下りは早い、昨日苦労して登った千丈沢のルートが眼下に見え、これから回っていく奥丸山もピークに日が差し込み可愛い姿を浮かばせていた。 此処から見ると穂高と飛騨山脈の丁度真ん中に奥丸山のピークがあり、行かずともここが絶景ポイントであることを伺わせる。
 双六と千丈沢の分岐から左に下ると、やや急だがしっかり整備されている奥丸山の登山道に出る。ガレ場を注意しながら下り奥丸山の尾根道に入っていくと此処だけ別世界のような紅葉が目に飛び込んできた。 ダケカンバの黄色とナナカマドの赤が目に染みる様だ。 下ってきたルートを振り返ると昨日槍平から一緒だった石井(?)さんご夫婦が後を追ってくるのが見える。私が奥丸山経由で降りると話したので、どうやら同じルートにした様だ。

滝谷と紅葉(奥丸山より)
【奥丸山〜槍平〜新穂高登山口】
  アップダウンを繰り返しながら尾根道を行くと、途中でナナカマドの紅葉を前景に滝谷が迫ってくるような絶景ポイントに出た。ここで撮影しながら石井さん夫婦を待つことにする。 注意して周囲を見ると殆どのナナカマドは変色してチジレているが、此処だけがが鮮やかに色付いていた。 紅葉の写真は諦めていたのだがここでようやくお土産になりそうな景観に巡り合えた。・・しかし既に雲行きが悪くなり始めていて、穂高の上空には暗めの雲が・・そのためスッキリした写真は撮れず少々残念だが・・。
 この後、石井さん夫婦と合流し槍平まで下りたが、厳しい下りが連続する悪路のためご夫婦は遅れ気味、私は一足早く山荘に着いてラーメンで昼食を済ませ、撮影機材などパッキングし直し下山の準備をした。
 12:40 槍平を出て新穂高の駐車場まで下る。 途中で一度休憩してから一気に下ったが、予報通り駐車場に着く頃(16:00)に雨が降り始めた。  

 車で平湯まで移動しバスターミナルにあるお気に入りの温泉に飛び込んで汗を流してから、その足で強い雨が降る中央高速を飛ばし相模原まで戻った。